錯乱坊雑感 08-8-20
どういう分野においても研究が進み、それが人間の幸福に貢献するならば歓迎しなければならないが、ときとして行き過ぎとでもいおうか昔から培われてきた倫理観に反するようなことが起きて、特に医学やバイオテクノロジーの進化には、驚くというより恐ろしいような懸念を抱く。
クローン技術とか遺伝子組み換えなどというものは、一歩も二歩も神様の領域を侵しつつある。
医学においても、主に米国で実用化しているというサイボーグテクノロジーというのは画期的技術で、簡単にいえば脳細胞を加工して画期的医療を施すという技術のことだが、北京五輪の裏番組はつまらないので昨年録画したNHKの特集番組を見た。
レポーターになっていた立花隆さんが番組の中でも述べておられたが、とにかく驚異的結果を見せられると患者も家族も縋りたくなる心境は十分に理解するけれど、倫理的歯止めをどうするかという問題をいかにクリァーするかが気にかかるとのことだった。
番組では、家族が付きっきりで介護しなければならないパーキンソン氏病の重症者が一人で乗馬を愉しむほどになったのだから、驚いたのはレポーターだけではない。しかも、同等の手術成功例が二万五千件超だという。同じような病気の人にとっては、まさに地獄から天国へのパスポートである。
このたび、マウスのメスの卵子だけで人工的に生命を誕生させるのに成功したという記事があった。人間の卵子ではいまのところ実験する予定はないという添え書きがあった。倫理的に当然のこととおもうが、そのうち悪魔のささやきが耳に届いて、功名心から実施する科学者が出ないと断言できる保証はない。
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