錯乱坊雑感 08-8-20

どういう分野においても研究が進み、それが人間の幸福に貢献するならば歓迎しなければならないが、ときとして行き過ぎとでもいおうか昔から培われてきた倫理観に反するようなことが起きて、特に医学やバイオテクノロジーの進化には、驚くというより恐ろしいような懸念を抱く。
クローン技術とか遺伝子組み換えなどというものは、一歩も二歩も神様の領域を侵しつつある。
医学においても、主に米国で実用化しているというサイボーグテクノロジーというのは画期的技術で、簡単にいえば脳細胞を加工して画期的医療を施すという技術のことだが、北京五輪の裏番組はつまらないので昨年録画したNHKの特集番組を見た。
レポーターになっていた立花隆さんが番組の中でも述べておられたが、とにかく驚異的結果を見せられると患者も家族も縋りたくなる心境は十分に理解するけれど、倫理的歯止めをどうするかという問題をいかにクリァーするかが気にかかるとのことだった。
番組では、家族が付きっきりで介護しなければならないパーキンソン氏病の重症者が一人で乗馬を愉しむほどになったのだから、驚いたのはレポーターだけではない。しかも、同等の手術成功例が二万五千件超だという。同じような病気の人にとっては、まさに地獄から天国へのパスポートである。
このたび、マウスのメスの卵子だけで人工的に生命を誕生させるのに成功したという記事があった。人間の卵子ではいまのところ実験する予定はないという添え書きがあった。倫理的に当然のこととおもうが、そのうち悪魔のささやきが耳に届いて、功名心から実施する科学者が出ないと断言できる保証はない。

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錯乱坊雑感 08-88-19

今年はいつもの夏よりも湿度が高かった気がする。
海が好きだという青年たちは、健康に害は無いのかと思うほどに日焼けして、昔だったら健康的な色だねと言えたものを、大気環境の変化が著しい現代は手放しで褒められないような気もする。
各地で高気温を維持したまま、時折、場所によって短期豪雨を記録するような特徴的な夏だった。日曜日は終日曇り空で最高気温は一気に十度も下がり、体感的にはとても涼しく感じた。
海外でお盆休暇を過ごした人たちも主に成田へ戻ってきたとか。暑さが一段落するとはいえ、このまま涼しくなるわけではないというから、いましばらくはこの炎暑につきあうことになりそうだ。
それなりの夏の暑さが景気を押し上げるとも言われていたが、特にこの夏は北京五輪が話題の中心。
秋にでもなればこの暑さが懐かしくなるものと思うが、人間は無いものねだりのところがあり、なんだかんだとちょうど良い季節というものは春秋のほんのひとときなのかもしれない。
本日は一昨日、昨日と比べれば気温も高く、近くの樹林から聴こえるセミ時雨がやかましいところをみると、またまだ夏は長そうな気配だ。
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錯乱坊雑感 08-8-18

お盆休暇にハワイへ行ってきたという知人が、定番のドライマンゴーとマカデミアンナッツのお土産をくれた。しばらくして、友達の知人が家族とともに、近くへ行く途中だとかで立ち寄ってくれた。
その人とは土産をもらうほどの親しさではないので手ぶらで良かったのだが、あまりにも手ぶらで来たことを詫びるので、かえって恐縮してしまった。
それにしても元気に火曜日までの休暇を利用して奥多摩の登山だというバィタリティに驚いた。
長く東京に住みながら東京都に2,000メートルを超える山が存在することを知ったのは、二十年ほど前。その時すでに車椅子の身で登山は無理なので、早速地図で確認したら、山梨県と埼玉県の境目に2,017m雲取山の表示があった。近くにこんな高い山があるとは知らなかった。
知人の話によれば、都内も富士山も眺望できて、宿泊できる山小屋もあるので登山には秋が最高だよと教えられたが、暑いいまの時期も涼しくていいのだとか。聞いたところで自分は車椅子にて登れないが、針葉樹と落葉樹のバランスがイイらしい。
このところは、暑さもあるが北京五輪をテレビ桟敷で観戦する日々だが、最終日の二十四日もすぐそこ、アスリートにとっての夢の舞台も幕を閉じる。
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錯乱坊雑感 08-8-18

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錯乱坊雑感 08-8-17

オリンピックに出てくるようなアスリート(競技者)には、どこの国の選手であれ、それぞれにドラマがあるはずだが、日本の選手が活躍すればわけもなく手放しで嬉しい。
真っ白のタオルで顔を覆いしばし絶句した後、涙を拭きながら発した「すいません。なんも言えない」という言葉には、多弁に勝る北島選手の万感の思いが伝わり、中継時間が重なった食事中の手を止めて、レースの成り行きとインタビューにしばし感動した。
自分との戦いに挑んだ四年間が凝縮された58秒91の世界新記録の「金」、続く二百も五輪新で文句無しの二つ目の「金」、日本中が熱狂したものと思う。
アテネの時は、若者らしく思わず発したその声の「チョー気持いい」というのが流行語にもなったが、しばしの無言が今年は一層に輝き、力強いメッセージになった。
さまざまに閉塞した社会を照らして、人々に、日本人にもスコゴイのがいるぞと自信と勇気を与えた業績は大きい。
この北京五輪に向けて目標を決めて努力を重ねてきた挑戦者たちの中には、野口選手のように戦場の手前でリタイァーしたり、目差した目標には及ばなかった選手も多い。
いろいろと見方はあるけれど、スポーツには多くの感動がある。
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錯乱坊雑感 08-8-16

本日の一枚。 「西伊豆戸田・井田地区盛夏」 油彩画 F6号版
午前中から寒暖計の温度は、病気の人の体温のように上がり、午後は曇るとの予報だが、太陽が隠れがちな割には蒸し暑い。
今年はセミが少ないのか鳴かないと思っていたら、夏はまだまだと言わんばかりのセミ時雨。朝からやかましいほどで、まさに蛙鳴蝉噪の夏のBGMである。
なんだかんだと物議を醸して始まった北京五輪もあと一週間。明日は野口選手の欠場であとの二人がどうなるのか、女子マラソンの号砲が鳴る。
お盆休みもそろそろ終り、都会にいつもの喧騒が戻っているらしいが、地方から東京見物に来ている人も、今年はいつになく多いのだとか。
東京に住んでいると東京タワーへもなかなか登らず、浅草やお台場へもめったに行かない。いつでも行けるという思いもあり、よほど特別に知人の誘いでもないかぎり出かけず、その他の観光スポットの六本木ヒルズや東京ミッドタウンなどは、地方の人のほうがよほど詳しい。
このところの暑さで熱中症にかかり、救急車で運ばれている人も増えているという報道もあった。
観光スポットのビルなどはギンギンに冷房が効いているので、かえって寒いほどだという。温暖化を憂う一方で文明社会の経済活動には矛盾もある。だからといって、ずつとテレビでオリンピック中継ばかり視聴しているのは、省エネには反するけれど、この時期は仕方が無い。
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錯乱坊雑感 08-8-15

165 戦後63年。本日は終戦記念日にて、例年通り全国戦没者追悼式典も行われる。
生々しい体験を語る人たちは、当然のことながら高齢者になり、八月六日に広島そしてその三日後に長崎に原子爆弾が投下され、大量の被害者が出て終戦になったプロセスは、すでに歴史の勉強でしか知ることはない。
過去にさまざまな戦争があったが、原爆を使用したのは初めてのケースで、世界の中で日本は唯一の被爆国になったわけで、
単なる恨みを述べるということではなく、その悲惨さを訴え続けてゆく使命があると思う。
核拡散防止条約など実質的な抑止効果にはいたらず、核廃絶は絵空事にて、東西冷戦の終結したいまも、むしろ核保有国は増えており世界は懲りてはいない。
いまではピカドン(原爆)ほどの威力はなくても、劣化ウラン弾とかナパーム弾のような怪しい兵器が、相変わらず使用されている。いつか来た道へ戻らないことだけを、この日だけでも祈りたいとおもう。

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錯乱坊雑感 08-8-14

ものの比喩として言うのだから拘る必要もないことだが、一千万ドルの夜景だから是非見せたいと、八王子というところに住む知人から誘われた。
一般的にいう形容としては百万ドルの…とは聞くが、その10倍の夜景とは少しオーバーな表現かと思うけれど、それほどの感動があるのだという。場所は高尾山の山頂あたりにあるビァーガーデンのこと。その位置は小高い中腹らしいが、都心から横浜の市街まで見渡せて、地元の人は自信をもってその眺望を一千万ドルの夜景と呼ぶのだとか。
「高尾山ピアマウント」というビアガーデンらしいが、ミシュランガイドブックに掲載されたこともあり、特にこの時季は遠くで打ち上げられる花火が見ものだったりして賑わっているようだ。
国道沿いにあるため車でも行けるが、客のほとんどは高尾山電鉄が運営するケーブルカーを利用するとのこと。涼風と美しい景色に見とれて深酒すると、最終の九時四十分に乗り遅れればタクシーも呼べるが、当然高くつく。
言うほうも承知していて世話もしてくれるようだが、車椅子での外出は容易ではない。全容を聞いて、携帯の写真を見せてもらっただけで行った気になり、面倒が先にたち誘いは断った。
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錯乱坊雑感 08-8-13

お盆休みに帰省でもするのかと思って訊ねたら、両親も五年前には世を去り、今は弟夫婦が後を継ぎ、だんだんに敷居が高くなり法事以外はかえらず、帰ったとしても日帰りだという。
お盆は在宅かと思いきや、夫が留守番で自分だけ友達とでかけるのだとか。こんなに暑いのにご苦労なことだねと言えば、この時期の旅行代は驚くほどの安さだから逃す手はないと。まずは元気がいい。
中年の子育てを終了した主婦たちは、こころにも懐にも余裕ができたのか割安な日帰り旅行によく出かけるらしい。説明によれば、バスの中は男性はわずかなもので、社中の客の殆どが女性だという。
埼玉の「長瀞」は東京から近いこともあり、冬を除けば一年中、沢山のバスが行くという。川くだりや紙すきの見学と、特に珍しい風景では無さそうだが、仲間と丸一日旅気分に浸れることが最大の魅力と知人は言っていた。確かに、新聞の折り込み広告にあるツアー代金は安く、いずれも表記の価格で採算に合うのかと不思議な気がする。
今日もそこそこの晴れ、きっと愉しいバス旅行になるに相違ない。それにしても、いくらか夜明けが遅くなり季節の変わり目かなと思わせる予兆はあるが、本日もまだ日差しは弱くなったものの暑い。

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錯乱坊雑感 08-8-12

いま北京五輪の真っ最中にて、昨日は蛙王北島選手が世界新記録で金メダルに輝き、今朝はスポーツ紙すべての一面を飾っていた。
それはロスアンゼルス・オリンピックの翌年の出来事にて、単独機の事故としては最悪の犠牲者がでてもう二十三年にもなる。大きな衝撃の事故だったが、不謹慎ながら他人事ゆえに時間経過が早い。
毎年何回目の鎮魂忌について聞いてはいるが、日航ジャンボ機が群馬県の山中に墜落して520人もの人命を失い、すでに長い年月が過ぎた。
歌手の坂本九さんが事故に遭遇したことでも印象深い出来事だったけれど、尾翼の付け根にあるという側壁が破れて、簡単に言えば方向舵が機能不可になったのが直接的墜落原因だった。
墜落することが確定的になってからしばらく時間があったわけで、書き残された記録もあるが、凝縮したその時間の恐怖心はいかばかりだったかと思う。
亡くなった人の声は聞きようもないが、逃れられない運命を無念に思っているうちに墜ちて亡くなったけれど、人の運命というのは分からないもので、まさに奇跡的に助かった方がいた。
その中のお一人、あのころダッチロール(不安定飛行)を教えてくれたスチュワーデスさんも、いまではキャビン・アテンダントと呼ぶようになったのだとか。
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