錯乱坊雑感 2-Jul 09
タデ食う虫も好き好きという「タデ」は、とても苦い葉だが、どういうわけか鮎の塩焼きにピッタリの薬味になる。
タデの葉を擂り鉢で当たり、酢のなかに混ぜて焼きたての塩焼きにタデ酢を付けて食べると、ご飯にも酒の肴にも実によく合う。草を好む虫さえも食べないような苦い草を見つけた人は凄いとおもう。
川魚は好みではないが、鮎だけは口に合うので、そのことを覚えてくれて毎年同じ知人が鮮度のいいうちに届けてくれる。
タダでもらうのだからそれくらいは仕方がないかと、いちおうの薀蓄を拝聴するが、獲れた川によって味が異うのだとか。味覚というのは、独善的な判断が入りそうなことながら総合的に推測すれば、釣りたての鮮度のよいものをその場で焼いて食べるのがなによりという結論のようだ。
そういう話はどこかで聞いたことがあるなと思いつつ聴いていたが、北大路魯山人が昭和の初めごろ、つまり八十年ほど前のエッセーに書いていたことを思いだした。その中で「鮎の食べ方」という一節には、鮎を美味く食うには産地に行く以外に手はない…とあった。食べ物ひとつにもこんなに拘泥するのかと思った記憶だが、まあ、食べるのにこだわりが無いほうだが、鈍い私でも、どこで獲れたものでも新鮮なものをすぐ焼いて食べる。それにタデ酢につけて食べれば、ただ美味だと感動する夏の食べ物である。![]()



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